ニューファンドランド犬: (大型犬)
カナダのニューファンドランド島の土着犬と1100年以降にバイキングによって連れて来られた大きなクマのような犬が起源。
地上で重荷を引き、水難救助犬として仕える一方で厳しい天候や海の災害に耐えることができる。
オスは体重68kg、メスは54kgが平均。
性格は穏和。威厳をもち、楽しそうで独創的でたいへんやさしく穏やかである。
ニューファンドランド犬のアミ( メス、8歳7カ月齢、BW47kg)が来院しました。
主訴: 最近痩せてきて、3~4日前から食欲元気がない。
飲水量が最近増えた。
食欲がなくなった頃から、陰部から血様の膿が出る。
アミは今年の5月のフィラリア予防時の検診では56kgありました。
ずいぶん痩せました。
主訴から、化膿性子宮内膜炎(子宮蓄膿症)を疑い、血液検査を実施しました。
血液検査結果: 白血球数 37800 ↑ HCT 30.9% ↓ その他は正常レベル
体温: 40.5℃
陰部おりもの細胞診: 多数の好中球、赤血球、上皮細胞 、細菌・・・・膿汁
エコー検査: 液体貯留したソーセージ様に腫大した子宮を確認
以上の結果から、子宮蓄膿症と診断し
、翌日 開腹による子宮卵巣摘出手術を実施しました。
ドルミカル(ミタゾラム)、スタドール、アトロピンで前処置鎮静を行い、
プロポフォールで麻酔導入をしました。
麻酔維持はイソフルレン吸入麻酔です。
身体が大きいので手術台からはみ出てしまいます。
滅菌ドレープを4枚使い、術部周囲を被います。
アルゴンプラズマメスを使い、腹壁を切開します。
腹腔から取り出した子宮はご覧のように
膿で腫大した蓄膿子宮でした。
開放性の蓄膿症でこの大きさですから、子宮頸管が閉じ閉鎖性になったら・・・と思ったら
ぞっとします。
摘出した子宮。
20㎝のものさしと比べても、大きさが想像できると思います。
重さは1200gでした。
閉鎖性なら3kgは超えたかもしれません。
腹壁、皮膚を型通り縫合して、手術は無事に終わりました。
術後2日目のアミちゃんです。
食欲もでてきて、術後の点滴も今日で終了して良さそうです。
3泊の入院後、元気に退院しました。
今後は太り過ぎに注意するようアドバイスも忘れませんでした。
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