症例・・・トイ・プードル 8歳8ヶ月齢 オス BW2.96kg レオ

主訴・・・昨夜、同居犬とふざけている時、飼い主が何気に払いのけた後、突然鳴いて右後足が着か   なくなる。

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経緯・・・ この症例は、友人である御殿場の獣医師の電話から始まりました。

レオと飼い主のKさんは静岡市在住ですが、知人であることもあり御殿場の動物病院へ毎月1回

トリミングに通っていたそうです。(ちょっとびっくり!!)

今回のアクシデントがあり、手術は静岡の方が良いという御殿場の主治医のアドバイスで、当院を紹介されてきたのです。

 

 

すぐにレントゲン検査を行いました。

 

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診断: 右側股関節の外側上方脱臼

 

 

コメント:  飼い主のKさんはとてもレオを可愛がっていて、いつも一緒に寝ているほどです。

       このケースの治療法として「大腿骨頭切除術」を提示しました。

  手術に対する不安がよぎるようでしたが、術後の経過、過去の症例などを詳細に説明し、同意を得たので、2日後に手術を実施することとしました。

 

 

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麻酔はアトロピン、ドロレプタンで前処置後、鎮痛作用もあるスタドール、ケタラールで導入しました。

 

 

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麻酔導入後は右後足の毛刈りと剃毛をします。

 

 

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手術部位の消毒後、ドレープをかけます。

 

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太腿骨の付け根にある大転子を中心に皮膚切開を します。

 

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骨頭を露出するために、臀筋群を切断します。

 

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脱臼した骨頭が見えてきました。

 

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露出できた骨頭を電動ノコで切断します。

 

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骨頭が切除できました。

切除することで、寛骨との骨同士のぶつかり取り除けるため、痛みがとれ歩けるようになるのです。

 

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切開部の閉鎖は、まず切り離した臀筋を縫合します。

 

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皮下織、皮膚を縫合し、手術の終了です。

 

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手術後、眼を覚ましたばかりのレオです。

 

その後4日目に退院しましたが、かなり着地ができるようになっていました。