症例・・・J・ハムスター オス 1歳7か月 BW55g ココア

主訴・・・1ヶ月前から右側後肢付け根に腫瘤ができた。一度破れたが、

      その後再び腫れが大きくなってきた。

      再び破れ、出血もあるので、来院。

診断・・・外科的摘出が必要な皮膚腫瘍。

 

コメント: 外観的にも悪性の腫瘍が疑われ、出血もあることから早期の摘出を提示し、

      その日に手術をすることにしました。

 

 

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イソフルレン吸入麻酔で麻酔導入後、毛を刈ったところです。

 

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電気メスで慎重に出血をさせないよう切開していきます。

 

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数か所の血管を結紮し、腫瘍の殆どは切除できています。

この腫瘍は摘出後すぐに病理検査を依頼しました。

 

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縫合は5‐0ナイロン糸でマットレス縫合と結節縫合を組み合わせて縫合し、簡単には自分で開創できないようにします。

 

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術後3日目の検診時のココアです。

縫合は舐めるにもかかわらず、しっかりと残っています。

 

病理組織学的診断:

基底細胞癌 および 悪性線維性組織球腫

腫瘤状部分には基底細胞様の上皮性細胞の増生からなる悪性腫瘍性病変が認められ、周囲には間葉系由来の悪性腫瘍性病変の浸潤性増生が認められました。

 

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真皮から皮下に及んで、癌細胞の多結節状増生巣が形成され、基底細胞癌からなる腫瘤周囲には、間葉系の腫瘍細胞(悪性線維性組織球腫)のびまん性増生が認められています。

 

 

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基底細胞癌 ×400

 

癌細胞の大きさはほぼ均一で、核小体明瞭な卵円形大型異型核を有し、核分裂像が多数認められます。

 

基底細胞癌は取り切れていますが、悪性線維性組織球腫の腫瘍境界は不規則不明瞭で、局所再発が考えられます。

 

という結果でした。

 

この後10日目の抜糸時に縫合部に新たな腫瘤が発生しました。

局所再発と思われ、再度摘出をしました。

現在、経過観察中です。