症例・・・甲斐犬 メス 11歳 12.8kg マミ
4月1日 食欲、元気あり 狂犬病予防注接種
4月10日 フィラリア検査と検診で来院、最近発情が始まったとのこと。
血液検査ではGPTの軽度上昇以外は正常範囲。
強肝剤処方
4月26日 食欲がないことが心配で来院。 12.4kg T38.3℃
血液検査では異常所見を認めず
エコー検査実施・・・・子宮に液体貯留所見を確認する。
4月10日に オーナーが話した発情は子宮内膜炎が原因の出血でした。
子宮蓄膿症の可能性が極めて高いことをオーナーに説明し、その日の午後、手術を実施しました。
甲斐犬は一般的に神経質な性格で治療にてこずることが多いのですが、マミちゃんはおとなしく
麻酔もスムーズに導入できました。
気管チューブの挿管が終わり、点滴もセットされて準備万端です。
滅菌消毒された腹部中央を切開していきます。
腹腔から取り出した子宮です。
腸詰ソーセージのようです。
この中にびっちり膿が詰まっているので、マミちゃんは辛かったと思います。
摘出した子宮と卵巣の全貌。
子宮蓄膿症の手術を過去にどれ位?手がけたか覚えていませんが、いつ見ても気持ちがいいものではありません。
しかし、これを摘出すれば殆どが完治するので、ほっとする瞬間です。
無事皮膚の縫合も終わりました。
マミちゃんは、立派な日本庭園がある邸宅のお嬢様犬です。
お母さんはマミちゃんがとっても可愛くて、今回の手術も心配で、一日に何度も電話をかけてきた程です。
食欲がないとステーキ肉をあげてしまいます。
それで、術後の入院時はドックフードは見向きもしてくれません。
もともと、よその家では食べ物を口にしない上品な性格なので、
手術3日目には退院して、お母さんのもとで安心して食事ができるようにしました。
5月3日の検診ではすっかり、食欲も元気も回復していました。
5月10日(日) 抜糸と狂犬病予防注射を受けにきたマミちゃんです。
体調はすこぶる良いそうです。
お肉の食べ過ぎに注意しなくてはね。
この記事へのコメント