若いアフガンハウンドの去勢を依頼されることはそれ程多くありませんが、2歳10か月のケリーの去勢をして欲しいと頼まれました。

理由を聞くと、同居犬のシェルティーのマックとの喧嘩が多くなったことが原因でした。

止めに入った奥さんにも歯を向けてしまうこともあったようです。

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アフガンハウンドの性格は注意を要することが多く、独立心が強く誰にでもフレンドリーとは言えません。幼犬時からのしつけを怠ると、飼い主でも扱いにくくなります。

ケリーはご主人が訓練に参加しているので比較的扱いやすいのですが、年長のシェルティーのマックとはオス同士なので時にぶつかってしまうのです。

家族会議の結果、去勢を決意したのです。

大きな犬ですが手術の順序は同じです。

絶食後、鎮静剤による前処置をします。ケリーはミタゾラムとブトルファノールを投与しました。

麻酔導入にはプロポフォールを使うのですが、サイトハウンドはこの麻酔薬が効きすぎてしまう為、麻薬剤のケタラールを導入剤として使用しました。

写真は導入後に気管チューブを挿管する前のイソフルレン麻酔を吸入させているところです。

 

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手術部位の毛を刈って、術部の消毒をします。

 

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術式は陰嚢の前縁にメスで切開し、そこから精巣を取り出し、血管、精管を結紮します。

左右の精巣を摘出し、皮膚は埋没縫合にします。

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ケリーのように神経質な性格の犬では抜糸の為に横臥位にされるのを極端に嫌がる場合があります。

その理由から、縫合糸を埋め込んで縫合するのが埋没縫合です。

写真のように縫合糸は外に出さないので、抜糸は必要ありません。

 

手術は無事に終了。

後日談として、喧嘩両成敗ということで喧嘩相手のシェルティーのマックも翌日去勢する結果になりました。

これで恨みっこなしですね。