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症例は2月7日のブログ記事に掲載したノワです。

( H11年生まれの10歳、オス(前回の手術で去勢)、Bw10.6kg )

右側会陰ヘルニアの整復手術を実施し、術後は排便も良好です。

ただ初診時に、左側の会陰部の筋肉群も薄くなっていることは確認していました。

右側ヘルニアを治療したことで、排便時の直腸圧が左側に変化することで、左側会陰部の負担が増加したようです。

現在、臨床的には問題はおきていませんが、将来的に左側も直腸憩室を作り、悪化すると困るので、オーナーのMさんと相談し、左会陰部も手術することにしました。

(経験的、文献的にも会陰ヘルニアは両側に起こることが比較的多いのです。)

 

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手術の術式は、右側の時と同じです。

左側は排便時だけ膨れる軽度なもので、直腸内の便を除去した状態ではご覧のように、正常に見えますが、触診すると会陰部隔壁の筋肉は薄くペラペラです。

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ヘルニアのある直上をメスで切開します。

 

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右側程ヘルニア嚢の癒着は強くはありません。指で確認すると切開部のほぼ中央のヘルニア孔(トンネル)が骨盤の奥までつながっています。

 

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ヘルニア孔に蓋をする内閉鎖筋を坐骨から剥がします。

 

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剥がした内閉鎖筋での蓋が出来上がり、縫合し終えたところです。

 

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皮下織、皮膚の縫合を型通り行い、無事終了です。

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2日後の手術部位です。感染もなく、きれいです。

1ヶ月前に実施した右側の手術部位は毛も生え始め、すっかりきれいになっています。

 

ノワは、性格がフレンドリーで人懐っこく、入院でも私達を殆ど困らせません。

このような要因も術後の経過を良好にする大きなファクターになります。

 

これからは、将来的にも毎日の排便を気持ちよく出来るようになるでしょう。