症例・・・モルモット メス 4歳4ヶ月齢 Bw 975g パンタ
主訴・・・1ヶ月前に血尿と排尿時に鳴くということで、来院。
レントゲン検査で尿道内の小さな結石陰影を確認。
止血剤、抗生剤での内科治療で症状が治まっていたが、今日また血尿と排尿痛が
見られた。
再度のレントゲン検査と皮膚にフケが見られたので、皮膚の鱗屑のスタンプ検査を実施した。
レントゲン検査において、尿道部と思われる位置に砲弾状の不整形陰影があり、この所見は1ヶ月前にも認められ、その時点よりも拡大していました。
また、膀胱内と思われる位置にもやや不鮮明な不整形陰影が確認されました。
尿沈渣所見: 小型の正方形状のカルシウム系結晶が見られた(炭酸カルシウムかシュウ酸カルシウムかの判別はできなかった)
診断:尿道結石 膀胱結石?
鱗屑のスタンプ検査: カビアハジラミの成虫が検出された
診断: カビアハジラミ寄生による皮膚病
❉ カビアハジラミ・・・体長1.24~1.5㎜。体は黄色味を帯び、縦長の前胸部は円筒形で中胸と後胸は融合している。爪は棍棒状で腹部は細長い。全生涯寄生生活を営むが、詳細は不明。未成熟、成熟虫ともに剥皮や皮脂などを食べているものと思われる。
治療: 尿道結石、膀胱結石?に対しては相談の上、
止血剤、抗生剤による内科治療を続けることにしました。
カルシウム系結石は療法食や内科治療で溶解することはできず、根治は
外科治療になります。
飼い主の希望もあり、まずは内科的対象治療を続け、結石が拡大するようなら、
外科的摘出を検討することとしました。
カビアハジラミの治療についてはモルモットにも安全性が高い「ダーナムライン」を
皮膚に滴下しました。これを、1週間毎に実施していく予定です。
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