症例・・・フェレット(パスバレー) 4歳 去勢オス Bw1.26kg
主訴・・・脱毛が進んでいる 痒みあり 食欲元気あり
頭部左眼内側に小さな腫瘤あり(3mm径) 腰部にも皮膚炎所見あり
副腎疾患の確認のためエコー検査希望
腫瘤のFNA希望・・・肥満細胞腫?
❉ 飼い主のYさんはフェレットを多く飼育していて、フェレットの生態、病気について豊富な知識をもっています。 今回も副腎のエコー検査と腫瘤が肥満細胞腫では?と細胞検査を依頼されてきました。
副腎エコー検査: 左側副腎 4.9×6.4㎜・・・大きさから腫瘍の可能性あり
腫瘤FNA: 多くの独立した単核細胞が見られました。核は殆どが偏在し、類円形、または楕円形を呈し、輪郭は明瞭です。細胞質はいくらか青色を帯びた淡い灰色です。
この所見は組織球腫に一致するものです。
診断:皮膚組織球腫と 副腎疾患に関連する脱毛の合併症
コメント: 皮膚組織球腫は犬では一般的な良性の皮膚腫瘍ですが、
フェレットにおいては殆ど報告はありません。
珍しい症例といえます。
治療: 犬では、外科的摘出、あるいは内科的に副腎皮質ホルモンで消退することがあるので、
タカユキちゃんも副腎皮質Hの治療を始めることにしました。
消失してくれることを期待しています。
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