症例・・・ロングコートチワワ オス 5歳齢 Bw2.05kg  ハル

主訴・・・2~3日前から食欲、元気低下している。右側頸部が腫れている。

血液検査・・・白血球数22500↗  その他の項目は正常範囲

触診で、確かに右下顎から頸部が腫れています。リンパ節の可能性が強かったので、FNA検査(針生検)を行いました。なぜなら、リンパ腫の鑑別をしなければなりません。

 

 

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写真では少し判りにくいですが、明らかに右側の下顎がむくんだように腫れていました。

 

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針生検で採取できた細胞は、やはりリンパ球でした。このリンパ球は殆どが小型の成熟リンパ球で

反応性のやや若い中型のリンパ球も見られますが、芽球様程ではありません。

好中球も散見されることから、炎症性のリンパ節炎が最も疑われました。

このように、FNAは非常に大切で、なぜなら予後が全く異なります。

腫瘍化していれば、予後は非常に注意が必要になるからです。

 

治療: 2種類の抗生剤を内服で処方しました。

 

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1週間経過したハルの今日の検診時の写真です。右側下顎リンパ節はすっかり小さくなりました。

この症例からも学べることは、細胞診をきちんと実施することが正しい治療に結びつくということです。