症例・・・シマリス、4歳、メス、Bw105g、 ハナ
プロフィール・・・4カ月齢時に上部呼吸器疾患で抗生剤ネブライジング治療 治癒
主訴・・・昨日からあまり動かない、後ろ足が痛そう?
昨年12月にも同様の症状があったが、自然に良くなった?
検査・・・そのままでは充分な診察、検査ができないので、麻酔下での身体一般検査、
レントゲン検査を飼い主に了承を得る
プラスチックケースに入れて来院してもらったので、そのまま麻酔BOXに入れ、イソフルレン麻酔で導入しました。
麻酔状態に入ったことを確認し、まず身体一般検査を行い、皮膚検査、口腔内検査、腹腔の触診、
胸部聴診で異常は認めませんでした。
レントゲン検査: 骨折、脱臼は認めませんでした。
胸部臓器、腹部臓器も正常レベルです。
T12(第12胸椎)~L1(第1腰椎)の変形性脊椎症が見られました。
診断: 胸腰椎の変形性脊椎症
コメント: 加齢に伴ってのリスの変形性脊椎症を時に見ることがあります。
原因は明確ではありませんが、自然下に比べて、ケージ飼いでは圧倒的に運動不足であり、昼行性のリスは室内飼いでは日光不足にもなります。栄養面からみても蛋白質や総合的ミネラル類の不足も考えられます。
自然から与えられる恵みを再現できない室内での飼育は、いずれこのような問題を生じてしまうのかもしれません。
治療は慢性関節疾患に効果があるリブロフレックスを体重に合わせて処方しました。
この記事へのコメント