外科手術をする時には全身麻酔をかけて実施することはご存知の通りですが、

ほぼすべてのケースで、吸入麻酔器で維持します。

そして、維持している時の動物の状態を数字で表示できる装置が手術用モニターです。

このモニターで術中のバイタルサインチェックをします。計測できる項目は

炭酸ガス濃度(ETCO2)、麻酔ガス濃度、脈波・動脈血酸素飽和度(Sp02)、心電図(ECG)、血圧(BP)、体温(TEMP)、呼吸数(カプノグラム) です。

当院では6年前から、K社のモニター装置を使用していましたが最近、数値の不安定さが時々見られ、そろそろリニューアルを考えていました。

 

モニター2.jpg

 

そんな折、F社のモニターのデモを行う機会があり、何回かの手術で試用してみて、特に麻酔濃度の安定性とカプノグラム〈呼吸相)の感度が良いのが気に入り、導入することにしました。

モニター1.jpg

 

この写真は昨日、避妊手術と、歯石除去処置の目的の為に麻酔をかけたヨークシャーテリアのラムちゃんの様子です。

上の装置が手術用モニター、下の装置はベンチレーター(人工呼吸装置)です。

気管チューブを挿管し、吸入麻酔器につなぎます。不安定な呼吸の場合は切り替えスイッチによりベンチレーターに切り替わります。この日、ラムちゃんもベンチレーターで呼吸管理しました。

各モニターのコード、点滴のチューブなどが所狭しと繋がっています。安い買い物ではありませんでしたが、安全性と救命率を維持するためには躊躇できません。

人の外科手術もたくさんのモニターコードがつけられ生体安全管理を行いますが、最近は動物も同じですね。