症例・・・パピヨン 避妊メス 8歳5か月  サティー

プロフィール・・・混合ワクチン、フィラリア予防等 定期予防済

          6歳2か月齢(H18年10月)時 子宮畜膿症を発症、同時にレントゲン検査にて膀胱

          結石を確認したため、子宮両卵巣摘出術、及び膀胱結石摘出術を実施。

           結石分析・・・シュウ酸カルシウム

 

現症状・・・1か月前に出血性胃腸炎で来院: 出血性胃腸炎は治療により完治

         検査時のレントゲン撮影で膀胱結石の再発を確認

        頻尿あり。

治療・・・外科的摘出

       

サティー2.jpg

 

レントゲン検査:膀胱内に表面不規則な2~5㎜の結石が複数見られます。

サティー0.jpg サティー3.jpg

開腹して膀胱を露出すると、膀胱は明らかな炎症を起こしていました

サティー4.jpg

 

膀胱を切開し、まず1つ目の表面不整の結石を取り出しました。

サティー5.jpg

 

同様の結石を9個、さらに細かい結石を14個、最終的に取り出しました。

サティー6.jpg

 

膀胱洗浄の後、吸収性縫合糸で二重に縫合しました。

 

術後: サティーは順調に覚醒し、翌日には充分な排尿があり、食欲も良好です。

 

結石分析: 前回と同様、シュウ酸カルシウムの形態をしています。

        分析を検査ラボに依頼中です。

 

膀胱結石は様々なファクターが複雑に絡み合って形成されます。素因的要素もあって、できやすい犬種もいることから、遺伝的、先天的要因も考えられます。その裏付けとして、今回のサティーちゃんのように再発するケースが一般的です。

しかし、後天的要素として食事環境も無視できません。

いわゆる療法食が予防的食事管理ということになります。

現在、サティーちゃんにはヒルズのU/Dを処方しています。