セキセイインコのピーコちゃん(3歳5か月齢、メス 73.6g)が来院しました。定期健診のためです。
ピーコちゃんは1歳頃から太り始め(60g)、昨年の12月には70gを超えてしまいました。
内臓も心配になったのでレントゲンを撮りました。
皮下組織にも、腹腔内にもたくさんの脂肪が付いていました。
内臓陰影では小鳥は心臓と消化管の輪郭が砂時計様の腰がくびれた陰影を見せます。
ピーコは腰のくびれが全くなく、これは肥満と共に肝臓腫大を疑わせます。
そこで、この日から強肝剤とビタミン剤の処方をはじめました。同時にダイエットのアドバイスです。
ダイエットを頑張っているとばかり思っていましたが、今日の体重は何と73.6gと最高体重です。
鳥のダイエットはどうやってするの?
もっともな話です。シード食をいつもきらさず与える習慣のある日本の飼育法では食べ過ぎてしまう鳥のダイエットはできません。
でも、だからといって、肥満をそのままにすると、脂肪肝症候群、心疾患、動脈硬化、趾瘤症、関節炎などを引き起こします。
そこで、、鳥のダイエットは以下のプロセスによって行います。
① 1日の食事量を量る
餌箱ごと餌の重さを量り、1日経過した後再び重さを量り、何g減ったか確認します。
毎朝同時刻に行ってください。皮つきの場合は常に皮を除いた後に量ってください。
これを5日間行い、食事量の平均を出します。鳥の体重も記録します。
② 1日の平均食事量から20~30%制限して与える
1日平均10g食べていれば、2~3g減らして7~8g与えます。これを2~3回に分割して与えるよう にします。
③ 体重を量り、減量速度を確認する。
体重は、朝、食事を摂る前の体重を基準にします。
オカメインコ位までの大きさの鳥の減量速度は、1gの減量に3日以上かけるようにしましょう。減量速度が早すぎる場合は食事量を少し増やします。制限したにもかかわらず落ちない場合は、さらに食事量を制限します。
④ 体重の維持をおこなう
目標体重になれば、鳥の体重をチェックして、これを維持します。
食事の制限は鳥の体重の10%以下には制限してはいけません。
飼い鳥の平均体重
セキセイインコ・・・30~45g
オカメインコ ・・・85~100g
コザクラインコ ・・・ 45~55g
ボタンインコ ・・・ 40~50g
文鳥 ・・・ 23~28g
✽ 体格によって正常体重が異なるため、体型(BCS)も同時に評価しましょう。