1週間前に、両まぶたがぷっくり腫れて、来院したのはマルチーズのミルクちゃん。
事情を聴くと、
「実は、家の幸福の木が毎年花を咲かせるんです。ミルクがその花を食べたそうにするので、つい与えてしまいました。その後から、まぶたが腫れてきてしまいました。」
観葉植物は多くが中毒性を持っています。幸福の木を文献で調べると、やはり有毒植物の仲間でした。
幸福の木の花は蜜(甘いシロップ)が出るようです。これをミルクは欲しがったのでしょう。顔に花をいっぱいつけて舐めたとのことでした。その時に目の周りにも付いたのでしょう。
この日は抗生剤眼軟膏と、抗アレルギー剤の内服を処方しました。
今日、腫れが改善しないと再来院しました。
確かに眼瞼の腫れが前回より少し強くなっているようです。眼瞼結膜を反転すると
濾胞性に結膜全体が腫大していました。
ドラセナの影響が思っていたより長く続いています。
新たに点眼薬と、内服の抗生剤を処方して、通院を支持しました。
お母さんに、ドラセナの花の写真を持ってきてもらいました。
文献ではドラセナの中毒症状は 嘔吐、下痢、手足の腫れ、麻痺、死亡と書かれています。
中毒成分については調べた限り、記載はありませんでした。
ミルクちゃんに消化器症状は見られませんでしたが、観葉植物は室内飼育の動物には要注意です。特に、猫は症状が重症になりやすいので、くれぐれも気をつけましょう。
ミルクちゃんの眼が早く完治するといいのですが・・・。