症例・・・セキセイインコ オス 4歳6ヶ月 ピーコ
プロフィール・・・3歳3ヶ月頃から 多飲多尿あり 頻繁な吐き戻し → 発情徴候
対策: 発情を抑制する環境管理改善をアドバイス → 症状の改善見られる
症状・・・ 最近(4歳4ヶ月齢) 蝋膜の色が青から茶色に変色してきた
レントゲン検査・・・腹腔内の精巣腫大所見
後肢の付根(股関節)の下(腹側)に認める楕円状の塊が腫大した精巣です。
発情時には腫大してくるので、腫瘍との鑑別が必要になりますが、長径が1㎝を超える場合は
腫瘍の可能性は強くなります。この例では1.1㎝なので、腫瘍が考えられます。
経過: 精巣腫瘍の場合は、外科的摘出は極めて困難なので、
治療は内科的対症治療になります。
夜更かしをしない規則正しい生活をさせること、栄養バランスに留意すること、定期検診、
随伴する症状の緩和治療などです。
昨日、ピーコちゃんは検診に来院しました。現在の状態は良好です。1か月前にメガバクテリアが見つかったので、抗真菌剤の投与を始めています。この腫瘍は比較的長期経過をたどるので、ピーコちゃんも根気よく頑張ってほしいと思います。
追記: セキセイインコの精巣腫瘍については、「病院ものがたり」のNo28、No31に掲載しています。
先生方、そしてスタッフの方々、こんにちわ。ピーコの飼い主のMです。
ピーコの事を載せていただきありがとうございました。
オスなのに蝋膜の色が茶色に変わり治療を続けて約3ヶ月間、その日は突然やってきてしまいましたが、手のひらにすっぽりと入ってしまう小さなピーコが私達に見せてくれたがんばりは、とても偉大だったと思います。
でも、ここまでがんばれたのは、先生方が手厚く診てくださったおかげです。本当に、本当にありがとうございました。
1週間が経ち、ようやくピーコがいなくなった現実を受け止められるようになってきました。
我が家には、もう1羽セキセイのピッピがいます。何度か診ていただいた事があるのでご存知と思いますが、ピッピはPBFD感染症です。
病気のせいあってか、羽が綺麗に揃っている割には高く飛ぶことができず、超低空飛行ではありますが、毎日元気に過ごしています。
また、ピッピの検診等、お世話になることがあると思いますが、その時は、よろしくお願いします。
本当なら、先生方に直接お伝えしなければいけない事でしたが、ピーコの事を書いてくれたここに返事をしたかったので・・・
Mさん、コメントありがとうございました。
ピーコちゃんの旅立ちが突然だったこと、お電話をいただき私もショックでした。
12月にも腹腔内出血をおこし危険な状態になりましたが、それでも止血剤や抗ショック剤投与と酸素室の中で奇跡的に復活したピーコちゃんでしたね。
ピーコちゃんも精いっぱい頑張って、「もう楽になっていいよ」と神様がお迎えに来たのだと思います。
Mさんの愛をいっぱい受けて生きたことが、命は長さだけではない、密度なんだと確信しています。
ピーコちゃんのご冥福を心よりお祈りしています。
院長
スタッフ一同