症例・・・シーズー 避妊メス 12歳3か月齢  チョコ

プロフィール・・・2歳3か月時 膀胱結石摘出手術

          3歳6か月頃からアトピー性皮膚炎(膿皮症、マラセチア)により薬浴を含めた

          継続した定期的治療

          10歳4か月齢時 アカラス(+) 定期治療にアカラス治療を加える

現在の症状・・・食欲元気あり。皮膚の痒みが強い。

          背中、四肢先、腹部、耳、顎下等に慢性皮膚炎(掻痒 発赤 鱗屑、痂皮 

             象皮様表皮肥厚、脂漏 色素沈着) アカラス虫体(-)

          多発性リンパの腫大(右下顎リンパ、左浅頸リンパ、両腋窩リンパ、膝下リンパ)

検査・・・血液検査、  膝下リンパ節のFNA(針生検)

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血液検査: WBC 20900 HCT 34・4 その他の項目は正常範囲

FNA所見

 

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×400(膝下リンパ節) 視野中の50%以上の細胞が大型のリンパ系芽細胞と考えられる

 

膝下リンパ節の針生検で見られた所見は強くリンパ腫を疑わせるものでした。

 

追加検査: ラボ機関でのFNA標本の確認

        遺伝子検査(T細胞orB細胞のクローナリティー)での確認

 

現在結果待ちです。

悪性リンパ腫と診断された場合は、多剤併用化学療法(抗ガン治療)を検討することになります。

複雑な病態を抱えたチョコちゃんですので、十分なインフォームド・コンセントが必要になると思います。

 

1月20日...病理検査報告書

 〈細胞診の結果〉 悪性リンパ腫

  コメント: リンパ芽球様の異型小型細胞が多数得られています。多形性に富む円形異型核とやや濃染する細胞質を有する細胞です。好中球に比べて明らかに大型で大小不同の目立つ細胞で、中細胞型の悪性リンパ腫と考えられます。

 

  〈 遺伝子検査結果 〉

  コメント: 患者のIgH鎖に2本のバンドが認めれれました。TCRγ鎖には認めれれませんでした。これらの結果より、Bリンパ球の腫瘍性増殖が示唆されます。