左前肢の手根関節中心に大きな肉芽腫ができていて、骨はブラブラでした。レントゲン検査では骨折後かなり時間が経過しているようで、骨折端は離断したまま強い仮骨形成がおこっていました。
問診では、骨折は子猫の時に起こったようで、すでに3か月は経過していました。おそらく骨が露出して、痛くてそれをなめ続けて大きな舐性肉芽形成が作られたと思われました。
血液検査では貧血(HCT19%)、低アルブミン血症(1.3)があり、長期間の傷口からの持続性出血と、栄養失調が考えられました。
野良猫の場合、暴れるので継続治療が難点です。
「断脚しよう。」スタッフの意見も一致しました。
「病院ものがたり」に登場する「のら男」と同じシナリオになりました。
この日は一日雨で、外来も少なかったので、そのまま手術室に移動し、手術になりました。
貧血があるので、できるだけ出血のないよう慎重に配慮しながら、肩関節から断脚しました。
確実な血管結紮とアルゴンメスを使用することでほぼ無血手術ができました。
この後は「のら男」のようにどうやって馴らしていくかが、課題です。
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