1月4日(日)の今日は2009年の仕事始めです。日曜日で始まりはAM9:30~ですが、7:00過ぎから電話が何本も入り、多忙の日の幕開けとなりました。

診察の開始から外来患者が絶えることなく来院しました。

消化器疾患、皮膚疾患、抗がん治療、ウサギ、フェレット、、セキセイ、ハムスター、ハリネズミ、などなど・・・・。

その中で、今日寿命を終えたウサギもいました。

ウサギ(ネザーランド・ドワーフ) メス 9歳 Bw1・1kg  ナナ

1週間前から食欲低下した為、1月1日に当番医で診察、お腹に腫瘤があると診断を受けました。

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痩せて、脱水があり、浅速呼吸でした。身体は冷たくなっていました。ウサギの呼吸に異常が見られた場合、何であれ重症です。

場合により診察中の精神的ストレスが最後のダメージになり呼吸不全で亡くなる可能性もあります。

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レントゲン検査の結果は最悪でした。腹腔内には巨大な腫瘤が確認され、位置から子宮の腫瘍が疑われました。何より胸腔内には転移性肺腫瘍と思われる幾つもの腫瘤が見られました。

暫定診断・・・・子宮ガンおよび転移性肺ガン(全身転移)

輸液、鎮痛消炎剤、抗生剤を投与したあと、呼吸状態は更に悪化し、酸素室管理としましたが、二時間後どうすることもできず息を引き取りました。

 

このケースは、子宮ガンの末期の症例でここまで進行していると、全くの手遅れです。

この時期になると様々な治療行為は高ストレス動物であるウサギにとって、更なるストレスになり状態を悪化させることもあるのです。

ナナチャンの場合も

「残念ですが・・・」とお答するしかありませんでした。

ご冥福をお祈りすると共に、定期検査の必要性をあらためて感じました。

                                    有仁